あたしはそのまま走って
優雪と出会った公園のベンチで.1人
ホットココアを買って1人泣いていた。
「どうしてあそこまでやるの?
優雪のせいになるだけじゃん....。」

最近.仕事も上手くいってなかったから
苛立ちが募る。

上手くいってないっていうか精神的にキツい。
『cherryblossom』のプロデューサーが
ストーカーをしてくる。
最近.一人暮らしをし始めたあたしのマンションの
郵便受けに.あたしの写真ばっかりを送ってきて
『カワイイね』とか『今度.お茶どう?』とか
変な手紙も添えてくる。
でも仕事場では周りに気づかれないように
普通に振る舞う。

「恋奈!!!」

ハッとして前を見ると『ハァハァ』と
息を切らしている優雪の姿。
買ったばかりのホットココアが
なぜかとても冷たく感じた....。

「お前....。何で怒ってんだよ」

そう言って優雪はあたしの手に触れる。
「うおっ!冷たっ....。お前.今日は帰れよ」
「だって....。」
「いいから。明日学校休める?」
「うん....」
「一緒に話そ?」
ビックリした。優雪から誘ってくるなんて。
「ありがと....」
「先生にはうまく言っておくから」

そう言うと優雪は去っていった。
その背中はとても大きく見えた....───────。