明葉が席に座り、話が再開した。
「けど部長…さっきの様子だと、聞いた事無いの?」
「ん?」
「サイトにもよくありますけど、最近都市伝説では…『死の夢』てモノが有名みたいです」
明葉以外の三人が話している。
死の夢‐。
明葉は、その言葉に何か嫌な響きを覚えた。
「何だそれ? どんな話なんだ?」
坂本が言う。
「あ、俺あんまり詳しくないから…晃先輩説明よろしく」
「了解。要約して話しますね」

その夢では、現実と同じよう感覚がある。
その夢では、自分を脅かすモノが現れる。
その夢では、死ぬと目覚められなくなる。

死の夢の噂は、都市伝説にありがちに様々に姿を変え、広く囁かれているのだという。
そして、殆どに含まれているのが先の点だ。
「目覚められなくなるって…現実に死ぬっていうのか?」
「いや、そうじゃなくて。何でも意識不明になっちゃうらしいよ、眠りっぱなしの状態に」
「信憑性はわからないけど…。噂では、実際眠りながら意識不明に陥る人が出てるらしいです」
他の三人が話すのを、明葉は無言で聞いていた。