暗く、息苦しく、体の自由は無く…闇の中を漂うようであった。
明葉の体は、姿見を通って何処か違う空間に放り出された。
「キャアッ!」
思わず倒れ込み、両手両膝をつく。
「………。ココは…」
立ち上がり、明葉は辺りの景色を見回した。
明葉は、異質な空間の中に居た。
夕闇のよう赤く暗い空。
足下は一面、鏡の床。
そして、無数の姿見が疎らに立て置かれていた。
「………! 美由ッ!」
明葉が頭上を見上げる。空中で、張り巡らす鎖に体を囚われている美由の姿があった。
完全に意識を失っているのか、明葉が叫んでも全く反応が無い。
「よくココまで来た」
明葉が何度目かに聞く声がした。
「あなたは…」
明葉が、声のほうを向く。
姿見の一枚の前に、いつの間にかあの少年が立っていた。
「美由に、悪夢を見せてるのは…やっぱりあなたなの?」
明葉が言う。少年は、明葉の問いに薄笑いを返した。
「そう思うのが自然だろうな」
少年が言う。軽く体を屈めると、彼は高く宙へ飛び上がった。
曲芸のよう、鎖の上に平然と立つ。
夢の世界とは言え、明葉らの体は通常の状態である。
人間の出来る芸当では無かった。
明葉の体は、姿見を通って何処か違う空間に放り出された。
「キャアッ!」
思わず倒れ込み、両手両膝をつく。
「………。ココは…」
立ち上がり、明葉は辺りの景色を見回した。
明葉は、異質な空間の中に居た。
夕闇のよう赤く暗い空。
足下は一面、鏡の床。
そして、無数の姿見が疎らに立て置かれていた。
「………! 美由ッ!」
明葉が頭上を見上げる。空中で、張り巡らす鎖に体を囚われている美由の姿があった。
完全に意識を失っているのか、明葉が叫んでも全く反応が無い。
「よくココまで来た」
明葉が何度目かに聞く声がした。
「あなたは…」
明葉が、声のほうを向く。
姿見の一枚の前に、いつの間にかあの少年が立っていた。
「美由に、悪夢を見せてるのは…やっぱりあなたなの?」
明葉が言う。少年は、明葉の問いに薄笑いを返した。
「そう思うのが自然だろうな」
少年が言う。軽く体を屈めると、彼は高く宙へ飛び上がった。
曲芸のよう、鎖の上に平然と立つ。
夢の世界とは言え、明葉らの体は通常の状態である。
人間の出来る芸当では無かった。