一度キレた私は誰も止めることは出来ず、条件に出されていた2位の副部長をストレートで倒し、勝つことは絶対に有り得ないとされていた部長をストレートで勝っていた。


「では、約束を守ったので私は帰ります。」


私は一礼をしてからその場を立ち去った。


正直、この時のことはイライラしすぎてなのか、あまり覚えていなかった。


「本当にあの時の唯那は凄かったよな。
全員が唯那が初戦で負けることを予想していたのに、1ポイントすら与えなかったからな。」


と、今だからなのか森田先生は笑って言う。


家に帰ってすぐに寝た私は月曜日の朝、学校に行って裕美からレギュラー争奪戦で勝ったことを聞かされて初めて知ったのを覚えてる。


勝ったことすら覚えてなかった私は裕美やレギュラーメンバーに笑われたんだっけ。