お金は袴田君が出してくれだそうで。

私は何もいいませんでした。

お金は大切ですから。

甘えるところは甘えます。

それが私の主義というものです。


「で、これからどうする?」

「どうするって、家に帰るに決まってるじゃないですか。それ以外に何かありますか?」


私は昨日までありがたいことに仕事漬けの日々。

徹夜徹夜の連続で体はボロボロ。

ということで、私は一刻も早く寝たいのが本当。

…だがしかし、実はのところ、袴田君といたいのも本当。


これでも、袴田君のこと好きだから。


「まー、南はそういうやつだけど、本心は違うことが多々あるからねー」


…わかってるのなら口に出して言わないでいただきたい。

店からでて車に乗り込めば、どこかに向かいだす袴田君。

それは確実に私の家ではないことは確か。

ありがたいことに明日は休みだからいいんだけどー

さすがに行先を教えてくれないとなんだか不安になってくる。

この人は私を誘拐しようとしてるんじゃないかとか!?