「…お待たせしました」
「待ちくたびれた。」
「…ひどー」
頑張って、メイクをしていたというのに。
なんともひどい奴だ。
無言で、車を走らせ始める。
…黙っていればイケメンだと思うんです。
ちょいと、口が悪い。
ちょっとではないか。だいぶか。
そんなことを袴田君の横顔を見ながら思う。
「で、これはどこに向かってるんですか」
「…まー、いいから、黙ってついて来い」
「黙ってついてきてるじゃないですかー」
袴田君の言うようにワンピースだって、メイクだってしてきたわけだし。
今のところいうこと聞いてるほうだとは思いますがねー