「…南!!起きろよ」

「……んっ」

「ほら、ここでいいんだろ?」

「…あー、はい」


どうやら、警察署からはそんなに距離はないのに、寝てしまっていた。

…しょうがないのさ。徹夜だったんだからね

そこら辺はしょうがない。


「南、先週買った服を着てこいよ。それと、兄貴に教えてもらったメイクもして来い」

「…眠いです」

「寝るなよ」

「……」


無言で、私は車から降りる。

実はのところ、久々に帰ってくる家。

郵便受けにはたくさんの広告が入ってる。

流れ作業的にそれらを部屋に入ってすぐに捨てる。

それから、ソファーに寝る…

…いかん。

いつものように、このまま寝るところだったー




マンションのエントランスに横づけされたエクシーガは40分経ってからもそこにあった。

袴田君に言われるように着た先週買ってくれたワンピース。

この時期にはまだ寒い半そでだったから、カーディガンを着て、メイクもちゃんとした。

そのメイクがめんどくさくて、何度投げ出そうと思ったか。