「もー、袴田君も悪いよ。」
「え、麻未ちゃんはそのことにいつ気づいたのですか」
「…うーん、それこそ、卒業式の近くだよ。家庭学習が始まる前ぐらいかな」
「…何を根拠にですか」
「えー、でも、クラスの人たちこの前結構言ってたよー。」
「でもさ、クラスに袴田君のことが好きな女の子いたじゃん?」
確か、小学校から袴田君と一緒だった女の子が袴田君のこと好きだった気がする。
…袴田君に彼女ができた時だいぶ病んでたし。
その子同窓会にいたし。
…その子を目の前にしてそんな話を私たちがいないところでしていたなんて
「あー、その子ね。なんか、大学で念願だった彼氏できたみたいだからねー、袴田君のことは
もういいみたいよー」
「あ、そうなんですか」
ついにあの子にも彼氏が…
つーか、麻未ちゃんに彼氏という存在がいるのか。
…気になりますな
「あーー!!南ちゃんたち!いたいた!!事件が起きた見たくね、鑑定依頼がたくさん来てるから、早く戻ってきてー」
「あ、はい」
話は所長によってさえぎられてしまった。
麻未ちゃんはまだまだ話したそうな顔をしていたけれども、私としてはいいタイミング。
仕事に集中したかったんです。
そこから、鑑定を徹夜で。
袴田君についてあんまり考えることもなく1週間が過ぎてしまった