「あー、南ちゃんたち!!同窓会はどうだった??」


いつものようにせんべい片手に現れた所長。

それにしても、いつものようにせんべいを食べていて、あきたりしないのか。


「所長!!聞いてくださいよ!!芙美ちゃん、クラスメイトの男の子と消えたんですよ!!」

「お!?なんだと!?麻未ちゃんそれはほんとうかい!?」


なんだか、人の話を聞いてものすごくテンションが上がってきている所長。

そして、なぜに麻未ちゃんは余計なこというかなー

…袴田君のことに関しては、あまり考えたくない事柄なのにー


「芙美ちゃん!!逃げないでよ!!」

「え。だって、仕事が…」

「南ちゃん!!なんと、今日は何も鑑定依頼が来てないんだ!!」


…それでさっきから、浅見さんがいないということですか。

でも、だからって、同窓会の話を持ち出されても困るんですけど!!

もっとさ、違う話があるでしょ!!

わざわざ、私の話をしなくてもいいよ!!

今私の心の中にはかなまた君という存在を置きたくないのだ。

置きたくなくても、無意識のうちに顔が浮かんでくる。

だからさ、考えないように。 考えないようにしてたのにさ。

むしろ1週間仕事に追い込まれるつもりだったのにさ。

こんな時に限ってなんで、暇なんだよ!!

私は、もっとさ、仕事をやりたかったのに!

…こんなにも仕事をやりたくてたまらないときはもうないぞ!!