お兄さんも私の意志とは反対に私の顔にいろいろと塗り手繰っていきます。

そのままなすがままになりやく30分。


「はい、完成!」


そういわれて、目の前にある鏡を見る。

…そこには完璧なメイクをしている私。

これ、私!?みたいなことはないです。

完全に私です。

…それにしても。

私のまつ毛が…伸びてます。

それに、いろいろと髪の毛まで、なんか変わっています。


「髪の毛もねー、ちょっといじらせてもらったよー」


そういって、袴田君のお兄さんはどこかに行ったと思っていたら、どうやら袴田君を連れてきたらしい。


「おーさすが兄貴。よし、南いくぞー」

「…ありがとうございまた」


一応お礼を言っておく。

…メイクに興味は特別ないが、なんだか、ちょっとだけ、テンションが上がった。

それだけは感謝している。一応ね


「また来てねー!!」

「もう来ません」

「え、南ちゃんひどい!!」


そんなことをいうお兄さんを無視してお店を出る。

もう、化粧なんていいもん。

自分でなんかこんなのできないし。