「南、着いたぞ」

「…」


ついたところは、近くのショッピングモール。

駐車場はいっぱいに張っていて、ものすごく混んでいる。

実は、こういったところがめちゃくちゃ苦手なんです。

人ごみが嫌い。

人がうじゃうじゃと…

想像しただけでも、寒気がする。


「南、早くいくぞ」


袴田君のそのことばを聞いて、しょうがなく車から降りる。

しばらく袴田君の後ろをついて歩き、ショッピングモールの中に入ると想像していた通りにむ
ちゃくちゃ混んでる。

…どこから、こんなにたくさんに人が湧いてくるのか。


「南、はぐれるなよ」

「失礼な、そんなにばかではない」


そんな会話をしていたのにですよ

10分後です。

私は袴田君の後ろについていってたつもりだったのに…


「…なぜにいない」


袴田君がどこかに行ってしまいました。

完全にはぐれました。