「南―食べちゃったか?」

「はい」

「じゃ、出るか」


そういって、お金まで払ってくれた袴田君に感謝感謝。

…何も言わずに素直におごってもらいました。

…何か悪いですか?


「南―どっか行きたいとこあるか?」

「…家に帰りたいです」

「…それはなしで」

「なんでですか?ひどくないですか。私は帰りたいです」

「ふーん」


何も言わずに車を進める。

…絶対にこれは私の家には進んでいない。

それは確実に。

いったい、この人は何をしたいのか。私にはまったく理解できません。

大体、なんで、この人は私に告白したのかもわからないし、好きだったとかいきなり言われて
もねー。

…ものすごい生意気な奴だとか思われるかもしれないけど、実際、私、今は結構充実いてるから。仕事のおかげで。