「...いいなぁ!あんなかっこいい兄と登校なんて!」
「は、はぁ...」
茉由......。どうしちゃったんだろ。

そして式。なにかと朝から騒がしい。
この高校は結構近所で、知り合いも多い。
あ、この人も一緒なんだ。
名前を呼ばれるたびに思う。
「佐々木 優」
先生の声に続いて...
「はい!」
優の馬鹿でかい声。
その声を聞いた女子はというと...
「「キャ───(*ノдノ)───ァ」」
いつもそう。優ってば、毎日どこでも女子のハートをゲットしちゃう。
それも無意識に。
「佐々木 莉奈」
あ、私!
「は...い...」
うゎ!声が掠れて出なかった...
式場に大きな笑いが起こる。
私の顔は、見る見るうちに茹でダコのように赤く、熱くなっていってるのが、自分でも分かる。
じゃあ優が...
「はーい!式の続きしよーぜ?」
えっ、ゆ...優!?助けてくれたの?
ありがと!優には助けてもらってばっかだよ。たまには私も何かしなきゃね。って思うのはこういう時だけで。結局忘れてしまうんです(笑