違う。今、あたしにはちゃんと好きな人がいる。


やっと前に進めたんだよ。

また、あんなやつの為に犠牲にしなくちゃいけない物があるなんて、絶対イヤだ。



「ソウタ……先輩…」



あたしは布団の中で、

寝言のようにソウタ先輩の名前を呼びながら、眠りに落ちていった。






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「で?」

「で?っていうか……その……」

「コウスケに動揺して電話し忘れたってわけ?」



次の日の朝、アキがあたしに問いかけた。