紙袋を持ったソウタ先輩は、あたしにそれを差し出した。
「これ、この間の……。本当にあの時はごめんな。」
「あっ、いえ。そんな。こちらこそ、すみません」
なんて言ったか覚えてないけど、もうそれはそれでいいや!
だって、実際に目の前に愛しのソウタ先輩がいるんだもん。
欲張りはいけないよね!
「あ、そうそう。これ、購買のおばちゃんにもらったんだけど食べる?
飴。」
「食べます!」
ははっ。あたしってば。なんて欲張りな女なの。
「あっ!」
五つの飴ちゃんをもらったのに、手におさまりきらなくて一つ落としてしまった。