その日は突然やってきた。

あの事件から一週間が経った頃、あたしの教室の前に誰かが立っていた。



「チュウちゃん、いる?」



遠くからでもわかった。


ーー〝チュウちゃん〝


そんな事言うのは、あの人しかいないじゃない!


「はい!ここにいます!」


あたしはブーメランのように体をくねらせ、机と机の間をすり抜けながら向かった。


「ぷっ」


口に手をあてながらソウタ先輩は笑う。

何で笑ってるのかわからなかったが、ニコッと笑い返した。