「み、チュ!」


「チュ?」


「チッチチチ……」


「チッチチチチ?」


舌がまったく動かない。そして噛んだ。

それよりも今、あたしの顔は何色だろうか?


「……チュウちゃんか。あのさ、必ずお詫びするから、それまで待っててもらっていい?」


そう言いながらソウタ先輩は、あたしのお弁当をまるごと持って行ってしまった。

小さくなって行く背中を、見えなくなるまで目で追いかける。



「……ミチです!!」


「さすがに遅いわ!」


アキが突っ込んだ。