保健室の香川先生だ。
助かった……じゃない、早くここから出なければ。
マサに余計なこと聞かれてしまうかもしれない。
「いいじゃん、いたって。頭痛いんだし」
「……いい加減にしなさいよね。誰が見てもそんな風には見えないわよ」
いつも来てます、とでも言うかのようなソウタ君と香川先生とのやりとりが自然だった。
あたしはと言うと……
「帰ります。じゃ…….!」
必死に作った笑顔を振りまいて見せてやった。
……やったのに、
ソウタ君てばこっちになんて目もくれなかったんだから。
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