ぎゅっと俺の背中に腕を回してきつく抱きしめてくる
顔を胸元に押し当てて泣いているのか、少し震えている葵の頭を優しく撫でる
かなり久しぶりに会ったけどすぐに泣くのは昔と全然変わってないのな…
周囲の視線を気にせず、抱き合ってる二人なんて違和感しかないだろうと思ってても、俺は葵の腕を退けることはしなかった
「ちょちょちょっと待って!紫乃!彼女いたの!?」
突然の洸弥の叫びに俺らはドキリとする
またコイツは勝手に想像して…
さっきからうるさい洸弥に紹介して黙らせようと、自分の背中に回った腕をそっと離す
しかし、その時に見えた葵の目は真っ赤になっていて、その表情に申し訳ない気持ちにさせられた
「ちげーよ…葵は俺の幼馴染みだよ」
再び葵の頭を撫でながら言うと、口を大きく開け呆けた顔が返ってきた
何だよその顔…
「え?そうなん?」