「あっあのー友哉さん?さっきの話の続きなんですけど…」
先程の剣幕に恐れ、自然と声が震えてしまった男に少し微笑んだ友哉
その反応に少し安心したのか、ゆっくりと口を開く
「実は今、絋さんが隣県に行ってて…そこで探してるみたいです」
「……絋…一人?」
「いや、零さん……あのー…本人に言うなって口止めされてたんすけど…晨さんも行ってるんですよ」
黙ったままの友哉を不審に思った零は彼の顔を見上げる
そこには何かを思い付いたような表情の友哉
「ふふっ楽しくなってきてんじゃん。てか、あそこの学校って、たしか東高と藤城が有名だよねぇ…」
彼の言葉に普段無表情の零ですら一瞬焦りを感じた
「特に東高って加賀美がいたよね…」
「………友哉……暴れるの…良くない」
「はぁ…零、俺はそんなことするつもりはないよー。ただ、俺はちょーっと挨拶でもしたいなぁってね」