「いやー、今日はすごかったな紫乃!」


江口さんに全額払わせてしまい申し訳ないがやっと外の空気が吸えて少し気分がいい

隣で一緒に歩いているヨウに適当に返事をしつつ、前方に並ぶ三人を見据える



ちなみにバイクは倉庫にいた人たちが持って帰ったそう
この人たちは歩いて帰りたいんだとさ。俺はすぐにでも家に帰りたいんだけど


「そういえば紫乃、お前きれーな女の子と何やってたんだよー」

「あー、あれか…別に何もねーよ」

「はっ!?何それ!説得力全くないんだけど」

「そんなん知らねぇよ。それよりお前はどんだけビビりなんだよ。昔から変わってないな」

「う、うるせー!どうせ俺はチキンですよーだ!」

うわー認めたよコイツ…
軽く哀れみの目でヨウを見るといきなり抱きついて来た

「っ…重………」

勢いで俺の体が一瞬不安定になる

高校生にもなってこうやって後ろから抱きつくってどうなんだ?


「さぁ紫乃ー!進め進めぇ!!」

小さい頃はこうやって遊んでたけど流石に今やるのは辛い

「うるせぇな…てかおい、降りろよ」


“嫌だー”なんて言いながら俺の首に腕を絡めて来る
………首絞まる


どうやったって離れようとはしないため、俺は黙って凌雅さんたちを追いかける

くそ………コイツ後で絶対シめる