「これはねーフジが好きなものだよー」

手に持った袋を江口さんが左右に振るのを俺はじっと見つめる

………くそ。セコすぎ






「はぁ…分かりましたよ…で、それください。交換条件でしょ?」

「あ、うんどーぞ」

上手いように誘導された気がするけどこれが手に入ったならまぁいいかなんて考えてしまう


「……………んま」
早速袋を開けて中から一つ取りだし口に入れた


「え、ちょっと……え?なにこれ…………







アメ?」


ヨウは俺が持っていたアメの袋を取り上げ、中身を覗いている

どうやら俺がアメを食べているのが不自然らしい

何がいけないんだ


「あっはははは!!ヤバいフジ可愛すぎでしょ!」


気づけば江口さんが俺の真横にいていきなり肩を組まれ、頭を盛大に撫でられる


突然のことで一瞬体が強張ったが本人にはバレてないみたい




それにしてもなんか暑いな………
くっつかれると特にそう感じる…