「どこが?」
「えっ…」
七海は今目を見開いて俺を見ている
「えっと…カッコいい所と優しい所と……「うん、もういいよ」」
目の前の戸惑った顔をした七海を見据える
「悪いけど俺、見た目で判断する人が一番無理なんだよね…だからごめん」
俺の言葉に悲しそうな表情の七海
だけどここで優しい言葉なんて掛けたりしない
付き合ったって結局は悲しませるんだ
俺はどうやったって男にはなれないから
俺はもう振り返ることなくその場を立ち去った
「っ……うっ………」
「七海…………」
七海の周りにいる女子が慰めようとする
しかしその中に一人、他とは違って嬉しそうな笑みを浮かべている
“やっぱりそうなるよね……でもわたしは絶対に…”
彼女の呟きは誰にも聞こえなかった