ケータイをしまい、ぼーっと周りを眺める
ちょうどここは日陰で風通しもいいから、これからここに来ようかな…
最近は何だか暑くなってきたな…そういやもうすぐ6月か
ブレザーはさすがに暑いな…
衣替えまでは我慢しようと思ったけど今年は無理かもしれない
俺はブレザーを脱ぎ、ワイシャツの袖を捲る
中に黒のTシャツを着てるからサラシがバレることはない
ネクタイを緩めると手が無意識にネックレスに触れた
………アイツからもらったこのネックレス
きっとこれを外すことはないだろう
《これやるよ、紫乃。俺からのプレゼント、大事にしろよな》
《は?誰がつけるなんて言ったかよ》
《てめぇ…》
《うそうそ!ありがとな》
《おっ…おう!》
アイツに会うことはもう出来ない
俺の心はどんどん黒く…暗くなっていくように感じた
そして俺は再びネックレスを強く握った
あの痛みを忘れないように