マスターと別れてから少し歩くと真っ黒な扉が見えた
なんか緊張してきた…
電話は何度かしてたけど直接会うのはしばらくなかったからな
「よし…」
一言呟き、目の前のドアノブに手を添える
ガチャリとなったその音に部屋の中のヤツらが反応した
「マスターなーに?俺ら何も………紫乃!?」
大声に気づいた人たちが一瞬で俺の周りに集まってくる
「紫乃!!!!俺ずっと待ってたんだよ!!」
「ひさしぶり、紫乃」
「紫乃さんお久しぶり振りです」
そう言って俺を見るやつらの髪はカラフル
「ソウタお前…また染めたのかよ」
目の前のソウタの髪は見事な金色
「はい!変ですか?」
不安そうな顔で見つめてくる
「いや、似合ってる」
ソウタの頭を数回撫でて言うと嬉しそうに笑顔になった
ソウタは最後に会った時はまだガキだったのにな…
「紫乃さん…戻ってくるんすよね?」
突然のソウタの発言に周りのカラフル共が俺を見る
しばらく黙っていると、少し離れた所にいた青髪の男……マモルが声をあげた
「俺たちには紫乃さんが必要なんです!」
マモルの声に周囲が同調する
うん………やっぱり俺の居場所はここなんだ
さっきまでの嫌な気分がすうっと晴れてくるような感じかした
「ん…これからまたよろしくな」