昔の夢を見た、気がする

俺の隣にはいつもアイツがいて、誰よりも、何よりも大切だった



―――――これはたしか小5の夏休みだったか



『しん、まだなの?』

『あと少しだよ!』

『…………暑い、帰りたい』

『ったく……頑張ってよ、しの』



ジリジリとした日射しに熱された道路

その上を歩く二人


お揃いの麦わら帽子は最早、その意味を成さない程に暑い日だったのを覚えている



既に宿題は終わらせた、そんなある日、突然晨に連れられ何処かに向かう


『母さんに何も言わずに出てきて、怒られても知らないよ』

汗で肌にくっつく髪の毛が鬱陶くて何度も払う


『大丈夫だよ!ちゃんとお土産だってあるし!』


前を歩いていたはずの晨がいつの間にか俺の横にいて、ぎゅっと俺の手を握る


『しの歩くの遅すぎ。仕方ないから俺が引っ張ってやる』