「何それ。繋がらないとか、それアイツのせいなんだけど」
『ははっやっぱりな!今度は着拒にしたわけか』
「そんなに連絡する意味が分からない」
『まぁまぁ。あの人だって紫乃のこと心配してるんだよ。…………とにかく早いうちに行けよな。』
「…………『行けよな』」
俺が嫌がるのを分かってるはずなのに念を押した口調に、少し呆れる
あの人のテンションと言ったら、洸弥のよりも面倒だから正直辛いんだよな
すげぇ尊敬してるのは確かだけど、そこだけが残念な所
「…………分かった」
『そうか!じゃ、絶対だからな。じゃないと俺が殺される』
やっぱりか
どうせ、アイツには逆らえないショウを適当に脅して、俺を来させるように上手く仕向けたんだろう
『あと、もう一回言うけど、無理すんなよ』
真剣な声に、反応が出来ないまま電話を切ると再び横になる
「はぁー…彼処に行くのは一年半振りか……。今年の夏は何か疲れるな………」
ゆっくりと目を閉じる
耳元で聞こえた小さな鳴き声が今の俺には唯一の癒しだった