「…………っ」


晨の大きく開かれた目を見ていると、ようやく葵が洸弥を引っ張って来るのが視界に入ってきた



「ちょっとー紫乃!何で来ないんだよ……………って紫乃が二人!?な、何でっ!?」

俺らを初めて見る人は普通みんなそう言う


昔から言われ続けてきたから慣れてたけど、流石に久しぶりだったから何か違和感



「コイツ……………俺の弟」




認めたくないけど、とはこの場では絶対に言えない



「えっ!!何?紫乃双子の弟がいたのか!」

俺と晨の顔を何度も見比べては、似てることを確かめる洸弥

…………うぜぇ



「スッゲー!紫乃に似てイケメンなのな!羨ましー」


突然現れた変なテンションのヤツに晨は戸惑ってる様子






「なぁ、洸弥。ごめん俺、今日は帰る。この埋め合わせは今度必ずするから」


本当はここで断るのは止めときたかったけど、今回は別

何てったってここに弟で、“鴉”の幹部がいるんだから