「あ、葵……何だよ今の」
ガッチリと回された葵の腕はそのままで俺は洸弥の後ろを歩く
「もういいの!気にしないでよ!!」
何で怒ってるのか知らないが、出来れば腕を離して欲しい
流石にこれで繁華街を歩くのは目立つ
さっきから俺らのことを見てはこそこそと何かを言われてる気がするし
すると、俺が周囲の視線を不快に思っていることを察したのか、ため息をつきながらも葵はすぐに俺の腕を離してくれた
こういうのが分かってくれるから葵のことを忘れることはないんだよな
「仕方ないから今度私と買い物付き合ってくれることで許す」
「………………分かった」
一緒に出掛けるのは俺が引っ越して以来のことだから良いか
「おいおいーそんなに仲良しなら付き合っちゃえよー紫乃ぉ!」
“ね!葵ちゃん?”とか言ってくる洸弥だが、これには葵自身も苦笑い
まぁ…この場で事情を知らないのは洸弥だけだからそれはどうしようもないんだよね