「ねぇ、華菜ー?」

私は朝の出来事を思い出していた。

「なーに?」


華菜は首をかしげる。


「私ね、朝アイツに会ったの...」


華菜の顔から血の気が引いたのが

分かった。


「な、なんで...大丈夫だったの?!」


「それが、宗田が来て。
助かったの」


華菜が口を開けてポカンとしていた


「そ、宗田って。1組の?」


私は黙って首を縦に振る

「それで、あいつは?どうなったの?」

「消えてた。いつのまにか、いなくなってたの。」


あの時の恐怖が蘇ってきて
身震いする。

「宗田先生、ナイスだねー、
感謝しないとー‼︎」

華菜は優しく微笑んだ。

「俺がなんだって?」

声のする方を見ると、立っていたのは
宗田先生だった。

「あ、朝の子じゃん。
あんなとこで、何して...」

俯いた私に気付いた華菜が
宗田先生に目で訴える。


分かってくれたのか宗田先生は
それ以上何も言わなかった。