「ごめんね、おじいちゃんそそっかしくて」

「いや、いいおじいさんじゃないですか。」



『そう?』

と言って微笑む篠崎さんは本当におじいさんが自慢なんだとすぐにわかった。



「あの、そういえば……」

「はい、お待たせ。オムライス。」



あ……"ナミ"について聞こうと思ったのに……まぁ、あとででいいか。



おじいさんのつくったオムライスはとってもおいしかった。



なによりも、篠崎さんとの話が楽しかった。



「おじいちゃん、お会計おねがい!」

「あの、やっぱり俺払いますよ。女の子に払わせるのは気が引けます。」

「だめ! 私が迷惑かけたんだから!」



本当に強引な人だ……。



「晴夏、いいよ、ここはおじいちゃんの奢りだ。」

「そんな……悪いです。せめて俺の分だけでも払わせてください。」

「いや、うちの晴夏が迷惑かけたみたいだからな。」

「市川くん、いいよ。おじいちゃん、頑固者なの。多分このまま払わせてくれないから。」



苦笑いの篠崎さんをみると、どうやら本当の様子。



「晴夏もそう言ってるし、ここは奢られなさい。」

「……じゃあ、お言葉に甘えさせていただきます。」