入学式早々遅刻とかシャレにならない……と思いながら速足で学校への道を進む。



校門近くになると、ちらほらと生徒の姿もあった。



……なんで俺こんなに注目浴びてんの?



「……あっ!」



すっかり忘れてた……左手には2人分のカバン、右手には号泣してる女の子。



これじゃあ俺が泣かしたみてえじゃん。



「ねぇ、どうしたらいいですか?」



この状況を抜け出したくて、彼女に聞いてみた。



「……旧校舎、なら。」



旧校舎……ああ、あの木造の校舎か。



俺はまた彼女の腕を引いて歩き出した。