「あの、よかったら連絡先、交換しません?」
「え、あの……私はいいんだけど、彼女怒らない?」
市川くんからの返事は意外なものだった。
『俺、彼女いないですよ』
「え? じゃあ、さっき一緒にいた可愛い女の子は?」
「あぁ、花ですか? ただの友達ですよ!」
ニッコリ笑顔で答えた市川くん。
よかった……。
"よかった"?!
何がよかったんだろうか。
やっぱりナミに似てるからかな。
「えっと、だから連絡先交換しても怒られないです。」
「じゃあ、いいよ。」
市川くんと連絡先を交換したところで、予鈴のチャイムがなった。
「ありがとうございました! 放課後、メールしますね!」
そう言って、市川くんは颯爽といなくなってしまった。
……なんか、授業出るのめんどくさくなっちゃった、さぼろうかな。
私は旧校舎で次の授業をさぼった。