次の日、なんだか廊下が騒がしかった。



なんでも『イケメンが来てる』らしい。



まぁ、そんなことはどうだっていいんだ。



読みかけの本の方が興味深い。



「篠崎さん!」

「へ?」



突然呼ばれた名前に驚いて、変な声が出てしまった。



呼ばれた方を見ると……教室の入り口からこっちを見てニコニコしている市川くん。



『なーんだ、篠崎晴夏じゃん……つまんな。』



そんな声がちらほら……でも、市川くんをハートの目で見てる女子がいっぱい。



さすがに教室には入りにくいのか、ドアのところに突っ立ってる。



私は市川くんの方へ歩み寄った。



近付いてみると……昨日一緒にいた女の子がいる。



……やっぱりモヤモヤする……?



「よかったね、篠崎さん見付かって。じゃああたし教室行ってるね。」



近くでみると、ますます可愛い子。