《晴夏》



放課後、私はひとりでいく宛もなくぶらぶらしていた。



春だなあ……私が歩く遊歩道には満開の桜の木。



あっ、ナミ……?



違う……ファミレスにいるのは市川くんだ。



向かいにいるのは……彼女さんかな?



地味な私と違って、イマドキな可愛い子。



楽しそうにお話ししてる。



やっぱり私なんか相手にしないかあ……。



……なにこれ、ヤキモチみたいじゃん。



市川くんは、ナミじゃないんだから。



はぁ……なんかモヤモヤする。



おうち帰ろ。



結局その日は、気分が晴れないまま終わってしまった。