今の鬼、本当に歩雨音ちゃん…………?






だとしたら、声が低すぎる。



「…ひ…………あ…あ……やっ………ごめっ………んなさっ…………」





ひっくひっくと聞こえる泣き声。



この高く、透き通ったような声は……………




歩雨音ちゃんの声だ!!



気付けば、叫び声がした方向に足が向いていた。




「歩雨音ちゃん!?」





そこには、尻をついて動けなくなっていた歩雨音ちゃんがいた。




「……茉帆ちゃん?」



歩雨音ちゃんのか弱い声。





「……うん、そうだよ、私だよ。茉帆だよ。」




声を掛けることしか出来ない。