やっぱり、鳴っている。

この気持ちがなんなのか伝えようと必死に鳴っているようにも思えた。

「はい。」

絞り出した一言がこれだけ、
苦しさがあたしを放してくれない。


芹沢は家まで送ってくれた。

「あの、送って貰ったので夕食ご馳走させてください。

芹沢さん夕食まだですよね。」

自分でも驚いている、

芹沢なんかにこんなこと口走っているなんて…

『でも、今帰すのが何となく嫌だった。』

芹沢の顔が見れないあたしの顔はとっても熱い。

「いいけど、お前…飯作れんの?」

疑いの言葉に

「はい!」

顔を上げて面と向かって答える。

目を見開いている芹沢はすぐにいつものイジワルな笑みに変わる。