『なんで』



冷たい。


あの時の優しさが嘘のよう。



そうだ、あの優しさは最初から嘘だと分かり切っていた。



「お願いします。会いたいんです」




『理由は』




「光、光に振られちゃって。生々しい声も聞いちゃって。どうしたらいいのかわからなくて、気付いたら優輝さんに電話をかけてました」



『俺に会ってどうなる』




「わからないです。でも、っうっ、ひっ、会いたいんです!」


冷たいのに。



胸が苦しくなるくらい冷たくて痛いのに。



会いたくて涙が溢れて止まらない。




『俺はお前のことが嫌いだし、慰める気もない。またお前がなんかしたんだろ』




「わからない…。いつもみたいに出かけて電話して、変わらずいたはずなのに…。
突然なんです」



『つーか俺彼女いるし。2人きりで会ったら怒られるから無理だわ。そもそも』



断固拒否。



もう優しくない。



あたしに優しくしてくれるのは、、





『あおいんごめんね、今立て込んでて。
しばらく忙しいんだ…また今度ゆっくり聞くから、あんまり気にしちゃダメだよ!』




マコちゃんなら優しくしてくれると思った。



優輝さんに一方的に電話を切られ、マコちゃんにも一方的に切られてしまった。




また、一人ぼっちだな。