そのままあたしは
玄関の壁に押しやられ
ガンッ!!っていう鈍い音と共に
後頭部に走る激しい痛み。
多分あたしは頭を強く打ちつけられたんだ。
脳がボーッとなって
コウちゃんが怒りながら何か言ってるのも
わけわかんなくて
もう諦めかけた
そのとき
「ヒメ?!」
はっきり、聞こえた声。
「マーくん!」
マーくんが来たんだ。
コウちゃんがあたしの腕を掴んでいた手をパッと離し、
あたしはその場で崩れ落ちた。
「ハッ、そーゆー事かよ!」
鼻で笑うコウちゃんと
何も知らずにやって来たマーくん。
「何やってんの?」
マーくんの声が、いつもより低いトーンに変わった。
あぁ…
マーくんに
最悪なところを
見られちゃった…。