家に帰ってすぐシャワー浴びて、一人部屋の中で自然とスマホを側に置く。


そこまでケータイに執着する方じゃないし、今時の高校生にしてはいじんない方だと思う。


そんな俺がなぜかスマホを見える範囲に置いてる。


スマホは音一つ立ててないのに、イチイチ開いて確認する。


これじゃあ、かなり電話気にしてるヤツみたいじゃんか!


スマホを遠くに投げても、やっぱ気になって側に戻す。


時刻は夜8時半────………



♪~♪~♪~♪~♪~



スマホを見ると画面には知らない番号。


なんとなく直感で分かった。


茉璃だ!


「はい?」

『も、もしもし……隼世くんですか?』

「隼世くんです。やっと電話きた~……」

『あ!もしかして、待っててくれたんですか?』

「そんなことねぇよ!」



いや、多分けっこう待ってた。


こんな時に素直になれたらどれだけいいヤツだろう。


電話だってほんとはすげー嬉しいけど、雑に振る舞ってる俺。


もっと器用な男になれればな……。