寒いグラウンドに出れば、恭平と二人でサッカーボールを追いかけ回す。


制汗剤のかけ過ぎで恭平くさい!!


「お前、かけすぎだろ……。ちょ、一緒にサッカーすんのヤダ!」

「はぁー?ひどいなぁ~もう。前に、隼世だって同じことしてたじゃん」

「くるみのこと?」

「ん~。その前?」

「俺はもう純粋な恋してるからやめよ」



今の俺は茉璃しか見えてねぇし。


浮気とかそんなの絶対に考えらんない。


くるみと付き合ってた時だったら………


してないって言ったら嘘になるけど、絶対に茉璃ならしない。


有阪の時の行動見てて分かる。


アイツは一途だから、俺も茉璃に答えてやんないと。


「ねぇ、隼世。部活のあと暇?」

「暇だけど?」

「駅寄ってこーよ。ちゃんと匂い消すために香水買ってくる」

「まず、そんな関係やめろよ」



恭平は真面目で優しくて、下手したら俺よりモテるかも。


なのに、彼女は不特定多数ってのが不思議。