【隼世side】



やっと茉璃と付き合った。


そう、やっと付き合えたのに……だ。


今が冬休み中ってのもあって何も連絡ナシで、俺はひたすらサッカー漬けの毎日。



「おはよ、隼世。今日は部活に来るの早いね」

「そうかー?恭平が遅いんだよ。珍しいな?」

「ははっ……ちょっと、ねっ?」


いつもなら絶対に俺より早く部室にいる恭平。


そんなヤツが珍しく俺より来るの遅い。


怪しく思って、恭平に近付いてやっと分かった。


微かにする甘い香水の匂い。


「恭平、女んとこ行ってたな?」

「バレた?やっぱ隼世には分かるか~」

「バレバレ。甘ったるい匂いでくせぇもん!」

「そんなに!?ごめん、何かしら制汗剤貸して?」

「女の匂い消えるけどいいわけ?」


恭平は何も言わないで、苦笑気味に俺の制汗剤を身体中にかけた。


ふーん……セフレ程度ってとこか。


恭平こそ真面目なヤツだから、すぐ本命の女見付かりそうだけど。