「あぁーーー!!すまん!すまんかった!ギブギブ!!!!俺、死んじゃう!」
「須らく死ね。」
「ヴォルフラム!やめなさーい!!」
アリシアが言うと、ヴォルフラムは首を絞めるのをやめた。
「げほげほっ、死ぬとこだった……」
「もぅ!」
アドロフは気を取り直してオムライスを食べた。
「そもそも、コイツの何がいいわけ?」
「そ、そりゃあ……」
アリシアは赤面する。
「あぁああ!!そう!そういうとこ!!!」
それを見て、アドロフが悶える。
「そういうとこが可愛いんだよなぁああ!」
「うむ。うまい。」
アリシアを見て絶賛する隣で、ヴォルフラムはオムライスを賞賛していた。
「お前、マジ……」
“アリシアちゃんをよこせ”とは言わずにヴォルフラムを睨んだ。
「そんな目をしてもやらん。」
ヴォルフラムが言ったのは、恐らくアリシアではなく、オムライスを指しているのだと察してアドロフは脱力する。
「おかわりもあるわよ?」
「ん。」
空になりそうな皿を見て、アリシアが言うとヴォルフラムは頷いた。
「俺のもー!」
「解ったわ。」
アドロフにアリシアは微笑む。
そして、台所に向かった。
「……天使だ。」
アドロフはうっとりする。
「相変わらず、アリシアに惚れてんなぁー!ま、わかるけど。」
大男が笑いかける。
「ドゥルフ、からかうなよ!」
アドロフは膨れっ面をした。
「でも、アリシアはすごいよ。」
ドゥルフと呼ばれた大男の隣から顔を出して女が言う。
「あれだけ近寄り難い殺戮マシーンを手懐けるのだもの。」
「それもそうだな、ロウウィン。」
アドロフはうんうんと頷く。
ヴォルフラムは意に介さない。
「いっつも、怒ってるような顔だし、軍は壊滅させるし、おっかねぇよ。」
そう言って、ヴォルフラムをつついた。
「でも、アリシアちゃんと会って、柔らかくなった。」
「鍛えてるから、柔らかくないと思う。」
「雰囲気だよ。」
「堕落したと言うのか。」
「そうじゃない。」
アドロフは呆れる。
「今も、おっかないけどねぇ。前よりマシさ。」
ロウウィンは笑った。
「がっはっは!!」
ドゥルフは豪快に笑うと、ヴォルフラムを見る。
「ワシはこいつがこーーんなちっさいころから知ってるぞ?それでも、アリシアが来るまで……誰にも心を開かなかった。」
「余計なお世話だ。」
大げさな素振りにヴォルフラムが眉を寄せる。