ヒカルを先に帰して、あたしは深田恭一に昼の質問の続きをした。
「さあ、話して。あんたは誰なの」
「ちょォーっと待った! その質問に答えるのに、条件が1つある!」
深田恭一は表情をキリっとさせて、人差し指を立てた。
本当にふざけているようにしか見えないんだけど、実際はどうなんだろう。
「…なによ」
「簡単なことさァ。俺に美緒ちゃんを送らせて?」
「……ウチ、遠いけど」
「え? そうでもなくない?」
カマをかけてみたんだけど、やっぱりか。
理由はわからないけど、こいつはあたしの学校も、バイト先も、家の住所も、全部調べ上げてるんだ。
あのテディベアのことがなかったら、絶対に警察に突き出しているような怪しさ。
「変なトコに連れてかないでしょうね」
「えー? 変なトコってどんなトコ? 俺わかんな~イテッ」
あたしはイライラして、金の頭をチョップしてから原チャの後ろにまたがった。