そりゃね。
男っ気のないあたしに声かけてきたのが、こんな派手なナリのチャラ男だもんね。
気になるだろうさ。
「全然ちがうよ。こんなチャラい男、彼氏になんかするワケないでしょ」
「え~。別にチャラくないじゃん」
「チャラい。チャラい上にゆるい」
コソコソと話していたら、深田恭一が首を傾げながらヒカルを見た。
「お。美緒ちゃんの友だち? かーわいいねぇ。俺、深田恭一っていうの。美緒ちゃんの足長お兄さんでっす!」
「は、はあ…。足長、お兄さんですかぁ」
ヒカルは目をパチパチさせて、深田恭一の足の長さを確かめてる。
いやいや、そのまま取ってどうするの。
このコもどこまでヌケてるんだか。
噛み合ってるようで噛み合ってない二人を見て、こっそり笑ってしまった。