「くっそおおおおぉぉぉぉ…!!」


俺はゲーム機を投げ出してベットに凭れ、項垂れる。

テレビ画面には『GAME OVER』という文字が画面いっぱいに広がっていた。



俺の名は吉河雄太。

『よしかわ』じゃなくて『きちかわ』だからな?間違えるな?


歳は17。
本来ならば高校に通い学園生活をエンジョイしている年頃なのだが

桜のシーズンが終わり、ポツポツと新緑を見せ始めた頃の俺は週始めの真っ昼間から、太陽の光を遮断された薄暗いこの自室でコントローラーを投げ捨てていた。


そう、俺は世に言う『ひきこもり』と言う奴だ。


『ひきこもり』と言うと響きは悪いが、やってみるともうほんと、楽しいもので。

何故世の中の二十歳に満たない少年少女達が決まった時間まで幽閉され、どこぞで使うかわからない数式やら英文やらを習うのか、わからなくなってしまう。


せっかく人間としてこの世に生を受けたんだから、自分の好きなようにやって
好きなように生きて
好きなように死ねれば一番の幸せなのではないだろうか?

少なくとも俺はそう思う。


俺は投げ出したコントローラーを再度握りしめ、『CONTITUE』にコマンドをあわせる。

画面が切り替わり、最後にセーブしたところまでストーリーが巻き戻る。


あぁ…またボス戦
最初からやり直しだ………