ある日、幼い少年に大人びた少女は言いました。


『君が18歳になった時

君は私に血を捧げてくれるかい??』



何も知らない少年は小首を傾げ、言いました。



『ささげるって、なぁに?』



そんな少年の問いに少女は笑みが零れ
少年の頭を撫でました。



『捧げる、というのは…そうだな…
あげる、って言う意味だ』



少女ははみ出た牙をチラつかせながら少年に優しく教えてあげます。



『よし、では言い直そう。
君が18歳になった時…君の血を私にくれないか?』



少女は微笑みを絶やさずに、優しい口調で話します。


少年はにっこり笑顔に戻ると大きく頷きました。



『うん!いいよっ!
おねえさんになら、おれのち、あげる!』



少年の言葉を聞いて、少女は嬉しそうに微笑みます。



『そうかそうか、それはありがたい。
…では、約束しよう』



少女は少年の首を撫でました。


すると、その撫でた所に紅い薔薇のようなシミが出来ました。



『君が18歳を迎えた時
私は君を迎えに行く』



少女は小指を立て、少年に向けます。


すると少年はその小指に自分の小指を絡めて元気に歌い出しました。



『ゆーびきりげんまんっ
うっそついたらはりせんぼんのーます!
ゆびきったっ!!』



少女はその歌声を聞き終わると

少年の額にキスをした。