――がしゃ!

「……ごめんなさーい」

小さな声でそう謝って、
俺は一番初めに通された建物の窓を割って、侵入した。

そこは、廊下だった。


さすがに、その辺の手頃な石でガラスを割るのは、
とても気が引けたが(だって高そうだし……)こちとら非常事態だ。


俺は姉さんを助けに来た。

勝手に人を攫う方が悪い。