こうなると、うちも自分で自己紹介しないといけないわけで。

「さっ、さっき奈々と仲良くなった、伊宮 美桜です。よ…よろしくね?」

また、詰まっちゃった。
男の子と話すの、あまり好きじゃないからな。
原因が、あの消えた記憶の中にあるみたいなんだけど…

「…伊宮!?」

聞こえたのは、少し驚いたような声。
瑠那のときとは明らかに違う。

「ん?何かあるの?」

こんな態度とられるなんて、気になるな。

「っ!いや、なんでもない。…よろしくな。」

なんか、変なの。
ほんとに、何かあるのかな?

まぁ、いいか。
笑ってくれたから。
あぁ、この人笑うとエクボが出来るんだ。

「うん!よろしくね!」