「ゔ…、美桜どうした?」

抱きついたからかな?
瑠那がバランスを崩しかけた。
のに、倒れなかったのは、瑠那の体幹の良さだろうな。

「ほんとに瑠那だぁ。」

こんなことが出来る人中々いないし。
ホッとする瑠那の匂いがする。

「うん、うちだけど。」

「あはは…あははは」

「……えっと…?」

ホッとしているうちと、冷静に話す瑠那とうちらのやりとりを見て笑う奈々。
突然知らない子に笑われたら、瑠那も分けわかんなくなるよね。

「あっ、紹介する!!たった今仲良くなった、奈々だよ!」

「菊池 奈々です。よろしくね!あ、うちツボが浅いみたいだから、あんま気にしないでね。えっと…瑠那でいいんだよね?」

奈々のツボは浅いんだね。
見てたら、ちょっと分かる。

「うん。宮崎 瑠那だよ。よろしくねー。」

「よろー!」

よかった。
この3人これから、もっと仲良くなれる気がする。

「同中の子が男子しかいなかったから、2人と仲良くなれてよかった。」

「そうなんだ。でも、高校デビューできんじゃん!」

「そうかな?あんまり、中学から変わってないよー?」

「あ、もとが可愛いんだ。…嫌味なやつー。」

瑠那の冗談は、冗談に感じられないことがある。
ほら、奈々困ってるし。

「あ、奈々安心していいよ。今の冗談だから。」

「あ、そうだったんだね。わかんないよー。」

「うん、うちもわかんないときあるから、大丈夫。」

「えぇ!?そうなのー?」